2015年4月14日 (火)
プロ
プロは本当に日向ぼっこが好きな猫だった。
大好きな場所で日向ぼっこしている姿のまま逝ってしまったくらい日向が好きな猫だった。
プロの写真を見返してみると、日向でヘソをだして大の字で寝ている写真が多い。
チェリーやセンシュはあまりこの姿で寝なかったけど、プロは猛暑の日以外は、家の中の日向スポットを探して、この姿でよく寝ていた。
チェリーが最後まで嫁に心を開いていなかったように、プロは僕を最後まで警戒していた。
チェリーは嫁に体を触らせてくれるが、プロは僕が体を触ることさえ無理だった。
何年一緒に暮らしても僕が近づくと、ササッと逃げた。
時々、寝ているプロにそっと近づき、無理やり抱っこしたりしたが、その時のプロの困った顔は面白かった。
プロは僕以上にチェリーと相性が悪かった。
この2匹は本当に猫っぽかった。
センシュは誰とでも仲良くなってしまう、犬みたいな一面があったけれど。
プロとチェリーはお互いを無視することが、快適に暮らすコツと理解したようだった。
なんだか人間社会を見ているようで苦笑いしてしまうこともあった。
プロとセンシュは都内某所で生まれた野良の兄弟猫だった。
近所にあった喫茶店の店主が出した里親募集の張り紙を観て、嫁が譲り受けた。
当初はセンシュ1匹だけの予定だったが、「兄弟猫なので......」ということでプロも一緒に譲り受けたらしい。
以前、僕が「同じ日に生まれた2匹なのに、どうしてプロが姉で、センシュが弟ってわかる?」と嫁に聞いたら「見てればわかる」と即答した。
で、僕も2匹と一緒に暮らしてその通りだと思った。
センシュは誰が見ても「おもろい弟」だった。
プロはそんな「おもろい弟」といるのが大好きだったよう。
センシュが急逝してしまった、プロは寂しかったのかもしれない。
僕にはあまり変わらないように見えたけれど、本当にセンシュを追っかけてしまったのかもしれない。
あの逝き方は、そう考えてもおかしくないような気もする。
どんくさいセンシュに猫パンチをお見舞いするプロを見てると、まるでコントを見ているようでおもしろかった。
センシュも時々仕返しするけど、最後はプロが勝つ。
姉ちゃんは強い。
もしろん喧嘩は稀で、いつもは2匹仲良く昼寝を満喫してた。
僕がおやつをあげる時、センシュとチェリーはすぐにやってきたけれど、僕が苦手なプロはちょっと離れたところで、欲しそうな顔で見てた。
そんなプロにオヤツをあげるのはなかなか難しかったけれど、ちょっと離れたとこでオヤツを食べるプロは、それはそれでかわいかった。
センシュとチェリーが逝ってしまってから、プロは時々、僕が近寄っても逃げない時があった。
ただ、めんどくさかったのかもしれないが、嫌がらず(実は少し我慢してた?)に抱っこさせてくれた。
プロが抱っこさせてくれるおかげで、猫の感覚を忘れずにいることができた。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
俺のプロ。
一番のんびり屋だったプロが、他の2匹よりも早い急逝でいなくなってしまうなんて、笑えない悪い冗談にしか思えないけど。
今頃、センシュに猫パンチをお見舞いしているといいけど。
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